代官山蔦屋のスターバックスで、特別に乙女のドリップしてくれる第二の故郷アフリカ産のコーヒーを飲んでいると、時々その乙女たちの中からダイヤの掘り出し物が見つかる。

この間も、強烈な印象を私に与えた乙女がいた。歳のころは19歳の清純そのものの美女だ。

その乙女との出会いは一年前にさかのぼる。非常に感じの良い女性だった。レジ・カウンターで注文するときに、

「あなたはアルバイト?」と聞く。

「そうです」

「どこの学部?」と聞く。大学名を聞くのは、相手に失礼なので、なるべく相手を傷つけないように配慮しているからだ。

「〇〇女子大の経済学部です」

大学名を聞いていないのに、某有名女子大を出して答えた。大学に入学したばかりなので、よほど聞かれて答えるのがうれしかったのであろう。

その時に私は話した。

「私の後輩も、定年後お宅の大学に移ったよ、東大の名誉教授で!」といった。
実は、旧制中学時代の後輩だが、詳しいことは、瞬間的な出会いなので話さなかった。

先方は、私が東大出であると勘違いしたようだ。まあいいか?勝手に向こうがそう思うのは、何かしようということではないので詐欺にはならないか?と思い、そのままにして一年がたったある日、私の前に注文を受けるレジに、その乙女が立った。
思い出すように、「あなたは例の経済学専攻なの?」というと、

「そうです。〇〇女子大の経済学部です」

またまた、その有名女子大の名前を出して答えた。よほどこの乙女は大学のブランドにこだわるようだ。

「もうゼミは決まったの?」

「マルクスです」

あっと驚いた。まだマルクス経済学は存在していたのだ。前世紀の遺物がまだ存在している。
多分、東大の有名なマルケイ(マルクス経済学)学者で定年退官してこの女子大に移った教授で、この乙女もブランド志向でマル経のゼミに入るようだった。

「資本論はややこしいから、この一冊を先に読みなさい。それは、マルクスの弟子、ヒルファーディングの「金融資本論」ですよ」というと、

「もうマルクスは読みました。それでは、その本も読んでみます」

彼女の名札を見ると「Kenya」となっている。

「名前がどうしてKenyaなの?」

「私は、Kenyaに旅行に行ったので、其の記念です」

「私もケニヤにいたのですが、どこに行ったの?」

「ソマリヤとの国境の辺です」

「そこはゲリラが多く危ないところですよ!よくご両親が反対しなかったですね!」

「そうです。猛烈に反対しましたが行きました」

「すごいね!」

ということで、さだまさしが書いた「風に立つライオン」の映画を見たかと聞いたが、見ていないというので、私の講評の配信コピーを届けた。

先週のある日の11時ころ、自由が丘での昼食会に行くので、代官山の駅に向かうところ、うしろから声をかけてきた乙女がいる、それが彼女だった。
幸運でも不幸でも、出来事は偶然にも重なるらしい。

「これから、大学に行くのです」という。

途中での話、資本論は全部読んだという。おどろいた。二年生で、すでにマルクスを全部読んだ。そのうえで、私の推薦する「金融資本論」を読もうとしている。
まさに、脱帽!

代官山の駅で乙女は渋谷に、私は自由が丘に反対の方向の泣き別れ?である。
このつぎにあったら、卒論のテーマも推薦しようと思う。

それは、マルクス経済学の現代IT、流通業界における世界的独占化の理論と、各国政府の対応、これは、私の研究テーマでもある。

即ち、マルクス/ヒルファーディングの独占資本の理論(特に金融を中心として、鉄鋼、化学などの巨大資本の独占化)を、現代のマイクロソフト/インテルの独占から、今のグーグル、アップル/サムソン、アマゾン、これを追いかける中国巨大資本の激突、そして、グーグルやアップルの不公正取引による、巨大な賠償課徴金で対応する各国政府、まさに、1990年代にノーベル賞を取ったナッシュのゲームの理論の蘇り、これを解明するのも、マルクス理論からの歴史的な比較、非常に興味ある課題だ。

どうも私は気が多すぎる、残された時間は短い!
永遠にいろいろな研究を続けたいが、もう、このテーマは若き才媛兼備の乙女に任せた方がよい!

その後まだ会っていない。私のVR(※)での青春時代はまだまだ続く!

※:VRとは、Virtual Reality(仮想現実)と言って、私の現在の物心(physicalとmental)に対して、これから、10台、20台にさかのぼって仮に実現したらどうなるというように仮想的な現実をコンピューターで作り出すことことをいう。
私の仮想は空想か妄想に近いかもしれない。まあ、ゲーテのような人もいるので、空想することだけは許されるであろう。

株式会社網屋 監査役 山口 敏治

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